第38回 パンパのガウチョ


日本の2倍はあるパンパ(大草原)ではガウチョ(スペイン人と原住民の混血児)が野生化した牛を追って暮らしていた。彼らの生活習慣はガウチョ文学に見ることが出来る。長編叙事詩“Martin Fierro”は第2の聖書と呼ばれるほど国民に親しまれ、小学生は詩の一部を暗記させられるという。

ガウチョの日常生活に欠かせなかったのが馬、作業用の大型のナイフ(facón)、そしてマテ(mate)である。マテは常緑樹の葉を乾燥させ砕いてヒョ ウタンの容器に入れ熱湯を注いで飲む原住民の飲み物。マテとは本来容器を指す言葉だったがスペイン人は容器と葉(yerba)の両方に使った。マテ茶から 想いを表すマテ言葉がある。mate dulce(友情)、mate con canela(思慕)、mate con leche(敬意)など。マテを飲む習慣はアルゼンチン国民の習慣となり、ピクニックや海外旅行にもマテを持参する。友人と飲むときは回し飲みとなる。

ガウチョは古いスペイン語や音韻転換した独特の単語を使ったのでガウチョ弁の辞書がなければガウチョ文学を理解するのは難しい。ガウチョは夜になると fogón(焚き火)の周りに集まりギター片手に歌くらべをしたという。現代のガウチョは農園(estancia)で働き、農業祭(Fiesta rural)や観光農場で伝統のガウチョ姿でガウチョ・ダンスや巧みな馬術を披露する。
(川内)

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