第53回 Torre Agbar

バルセロナの有名な建築物といえば、やはりサグラダ・ファミリア。

ほかにもガウディ作品やモデルニズモ建築が人気です。そして現代建築では日本人の磯崎新氏や伊藤豊雄氏の作品もあります。近年変化の著しい新開発地域には目新しい変わった形態の、いかにも現代風な建築物が至る所に見られます。

その中でも極めて異彩を放ち、目立っているのが“Torre Agbar”(トーレ・アグバール)です。

Torreは「塔」、Agbarとは「バルセロナ水道局」。その名の通り水道局のオフィスとして2005年竣工したこの建物はフランスの建築家ジャン・ヌーヴェルの設計によるものです。34階建て、高さ145メートルは市内で3番目に高い建物です。ちなみに1番と2番は海辺に並んで立つツインビルと呼ばれている5つ星ホテルのアーツと保険会社マフレのビルです。

ただでさえ高い建物の少ないバルセロナ市内でひときわ高くそびえる、ガラス張りでシリンダー型のモダンな姿は、高台から見るとサグラダ・ファミリアと共にいやおうなく目を惹きます。

ヌーヴェルによると、この形状はモンセラットの奇岩、そしてガウディの放物線からインスピレーションを得ており、また水道局の建物ということで吹き出す水を思わせるデザインだそうですが、普通の一般庶民がパッと見て連想するものは違うもののようです。皆さんはどう思いますか?

弾丸、指、座薬!など不名誉なあだ名が付けられたり、街の景観にそぐわないと数多くの批判も竣工当時からありますが、賛否両論あれど、今では街のアイコン的建物の1つとしての地位を築いています。特に夜には青と赤のバルサカラーにライトアップされ、近未来的なイルミネーションを楽しませてくれます。

さて、そのTorre Agbarに入っていた水道局が2015年に移転、建物を売却。2017年には高級ホテル、ハイアットとなるべく話が進められていましたが、どうもバルセロナ市の思惑が働いてホテルは断念、結局不動産会社が買い取ってオフィスビルになると先週ニュースで言っていました。

デザインに重きを置いているため、機能性はイマイチという意見が以前の利用者からも出ているらしく、テナントが集まるかどうか疑問視する声もでていますが、その知名度から希望する企業もそれなりにあるのではないでしょうか。

イベントや特別な機会を除き、一般訪問客が入れるのは1階ホールのみ。ホテルとなれば一般旅行客も展望フロアに有料で入場できる予定とも言われていましたが、オフィスビルでは無理そうです。

斬新だと思いますが個人的にはあまり好きではないこの建物、でも眺めはよさそうなので一度上まで上ってみたいものです。

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