第10回 洗濯物干しの文化

私がバルセロナに住み始めてもうトータル10年ちょっとになりますが、いまだに思うことがあります。それは「こちらの洗濯物を干す場所、どうしてこうなの?」

ヨーロッパの多くの街でもそうかと思いますが、バルセロナでも基本的に公の道に面したバルコニー・ベランダに洗濯物を干すことは街の景観を損なうということで禁じられています。干すのはPatio interiorといわれる道に面さない内側のパティオ。住んでいるピソ(=マンション)によってはベランダが内側のパティオに面しています。

我が家の場合、家は西向きの道路沿い、道路沿いにあるベランダに最も陽がよくあたりますがそこには洗濯物を干すことができません。干すのは内側にある、暗い部屋の窓の外のスペース。その窓の外にロープが4本張られています。1本のロープは平たい輪になって張られているので洗濯物を洗濯バサミで1本のロープに留めてそのロープを回すと届かない向こうのスペースへ動かせるというわけです。

このスタイルの何が気に入らないかというと、第一にお日様の光が当らないこと。この吹き抜けになっている内側パティオの天井はガラスになっているので、うっすらと光は入りますが常に日陰。空気が比較的乾燥しているので1日あれば大抵乾きますが、やっぱり洗濯物は日光に当てたいのは私が日本人だからでしょうか。

そして、洗濯物を干すときにちょっと怖いのです。ロープは窓の外です。手前は問題ないですが、一番遠いロープに干すときは少しとはいえ乗り出す感じになります。この時いつも「今までに洗濯物を干していて誤って下に落ちてしまった人はいないのか…?」と思ってしまいます。

もう一つ、洗濯物を落としてしまったら取り戻すのが大変、もしくは取り戻せないこと。特に小さいものなどはうっかり手からぽろりと落ちてしまったり、大物を広げた時にくっついていた別のものが落ちてしまったりすることがあります。日本だったらベランダの内側や庭などなので問題ないですが、こちらの窓の外のロープだと、下まで落ちてしまいます。我が家の場合は下の1階のパティオの床に落ちるので、その家の住人に謝って取ってもらうしかありません。以前住んでいたマンションは落ちる場所が誰も入れないところだったのでもう取り戻すすべはなく、あきらめるしかありませんでした。

そんなこんなで納得のいかない洗濯物干し場ですが、郷に入れば郷に従うしかなく、日々使っています。そういえば、洗濯機もまた不思議で、こちらの洗濯機は普通モードだと平気で2時間くらい回っています。私は早く干したいので常にお急ぎモードです。国が違うと家事にもいろいろ違いが出てくるものです。

関連記事

ページ上部へ戻る