第46回 碁盤の目・バルセロナ新市街アシャンプラ地区

前回のコラムでバルセロナの新市街は碁盤の目状になっているという話をしました。 上空から見るとこんな感じです。

今は旧市街のゴシック地区と呼ばれるエリアが城壁に囲まれていた元々のバルセロナの街です。19世紀半ばには街の発展と人口増加で城壁内では収まりきらなくなり、街を城壁外へ拡張する近代都市化がすすめられました。その際に取り入れられたのがイルデフォンソ・セルダによるこの碁盤の目状の都市拡張計画、それに基づいて生まれたのが新市街Eixampleアシャンプラ地区です。

写真からお分かり頂けるように、規則正しいロの字型の建物が並び、その間を縦横道路、そして数少ない斜めの通りが街を走ります。この四角い一区画(manzanaと呼びます)は一辺113.3m、一般道は20m(大通りは50~60m)。そしてよく見ていただけるとそれぞれの区画の角が斜めに切り取られている(隅切り)のが分かると思います。これは、当時まだなかった新たな動力交通機関がスムーズに曲がれるようにという先見性のもとに設計されたものです。ちなみに現在車道は大通りを除きほとんどが一方通行、慣れるまではなかなか大変です。

私はこの碁盤の目状の新市街に住んでいるのですが、よいところはその整然さ、住所(通りの名前+番地)が分かれば、どこに行くにも分かりやすい。そして広めの歩道と横断歩道が整備されていて歩きやすいところでしょうか。逆に悪いところといえば、街の様子がどこも似ているので場所を記憶しにくく、慣れないうちは目的地の場所がうろ覚えの場合たどり着くのが難しくなるところ。1本間違えれば平行線なのでいつまでもたどり着けません。

そして区画の隅切りのため、1本の通りをまっすぐ行きたいのに、交差点の度に一度斜めに行って信号を渡ってまた斜めに戻る、といわゆるジグザグに歩かねばならず、それが急いでいる時にはイライラするのです…。とはいえ、この斜めにカットされた曲がり角、車にとってもですが歩行者にとっても見通しがよいです。いつも通る道に斜めカットされていない建物の曲がり角があるのですが、曲がったところが全く見えず、けっこう出会いがしらに人にぶつかりそうになったりするので、この隅切りは有効だなと私は感心しています。

さて、このロの字型に四角く建物で囲まれた区画の真ん中部分はというと、元々の構想のように中庭として公園になっていたり、学校の校庭や地上階の家のテラスになっていたり、地下駐車場や倉庫の屋根として何もなかったりと様々です。上への空間は空いて広々しているので、広いテラスでごはんやのんびり昼寝、というのにあこがれますが、やはりテラスのある家の人気は高く、家賃がかなり高いそうです。上から見るとなかなか壮観なこの新市街の碁盤の目の眺め、サグラダファミリアの塔に上るとよく分かります。

関連記事

ページ上部へ戻る