第1回 Dentro de ocho días

スペイン語を学んで50年、この間の海外体験、スペイン語の意外な表現、珍しい習慣などをEspañol por allí y por alláと題して皆様の参考に供したいと思う。

dentro de ocho días「8日以内」ではなく「8日後」の謎

パナマである駐在員がクリーニング屋でestará listo dentro de ocho díasと言われ、5日目にもう出来上がっているだろうと店に行くと店主が伝票を見ながら「一週間後と書いてあるが」と不審な顔をする。スペイン語では dentro de は「~日以内」ではなく「~日後」を表すのである。この熟語にはもうひとつ問題が隠れている。「1週間」をなぜocho díasと表現するのか、siete díasが正しいのでは…という疑問が残る。この語源を現地でいろいろなnativosに尋ねたが誰も説明できなかった。

帰国後、ある講演会で知り合った若いコスタリカ人から期待していなかった答を得た。

「僕も長い間疑問に思っていたが、ある日、おじいさんから説明を得た。 これは1日の始まりが日没だった時代の名残りである。当時の習慣では会話をしたのが日中なら1週間後は当日を加えて8日になったのである」。

2週間後は dentro de 15 díasとなる。

この説はユダヤ人の安息日が金曜の日没から土曜の日没までと言うことを知っている人なら納得できるだろう。土曜日の安息はユダヤ人の習慣だが、キリスト教徒も 引き継いでいた。

キリスト教がローマ帝国で公認された4世紀初頭、安息日をイエス復活の日、つまり土曜の翌日と定めてユダヤ教の影響からの脱却を図ったこ ろ、ユダヤ人に限らず1日の始まりは日没だったのである。

※estará listo「準備ができるでしょう」

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