第13回 外来語としてのポルトガル語とスペイン語2

ポルトガル語がスペイン語から分離独立して言語として成立したのは15世紀ごろといわれる。16世紀にイエズス会から派遣されて日本へきた神父たちは教会 用語としてラテン語を使い、日常はポルトガル語を使っていた。なぜなら彼らのアジアにおける拠点がポルトガル領ゴア(インド西海岸)にあり、当時日本を含 むアジア地域はポルトガルの管轄とされていたからである。

ポルトガル語には面白い現象がある。スペイン語のblancoはbrancoとなり、L/Rの発音に苦労する日本人から見れば「ポル語よ、お前もか」と嬉 しくなる。plaza(praça)、plato(prato)、placer(prazer)などと単語をいくつか集めて気がつくのは、この現象が pl, blという二重子音の後で起こることである。

カトリック信者でありながら自ら命を絶った細川ガラシア(ポル語、Graça「恩寵(おんちょう)」)はsamuraiの模範的妻として海外でも知られ る。学生時代に教授が「スペイン語のgraciaをguraciaと発音する者がいるが、発音が難しければgaraciaと発音する方がまだ通じが良い」 と説明していたのを思い出す。16世紀の日本人はすでにgraçaを「ガラシア」と聞き取っていたようだ。
※blanco「白」、plaza「広場」、plato「皿」、placer「喜び」、gracia「恩寵」

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